業務上の案件がないにも関わらず上司から別室に呼ばれる時、それは人事異動を告げられる時かもしれません。
特に現部署での勤務が長く、自分が最も古株だったり、仕事で新たな学びが少なくなってきたと感じていればその可能性が高いです。
お読み頂いている方も、もしかしたらつい最近異動を告げられたばかりかもしれません。
人事異動が決まるまでに、見えないところで組織上の決定プロセスがあることは別の記事ご紹介した通りです。そうして決まった異動は、上司によって告げられます。
希望通りの異動内示は嬉しいものです。認められたという満足感と次の部署でも頑張りたいという意欲が湧いてきます。
逆にその内容が期待通りでなかった場合、社員本人が取れる対応は、場合に応じて以下の二つに限られます。
1. 家庭の事情がゆるさない場合
まず、社員本人が同居親族の介護や看護を主に担っているなど、家庭の事情が許さない中で転勤が求められる場合は率直に事情を話します。
会社側も家庭の事情に配慮する義務があります。人選の再考、時期をずらす可能性、在宅勤務や週末の帰宅、新幹線通勤などの対応を相談します。
2. 希望のポジションでない場合
もう組織として決まっている話なので、個人の好き嫌いだけを理由にひっくり返りません。不満や落胆を見せたり、意義を唱えると、上司にネガティブな印象だけを残します。また、上司の上司、新部署の上司、人事部門など決定に関わった人達に”本人は嫌がっていた”と伝わる可能性があります。
「予想外で驚きました」くらいは言っても良いでしょう。ただ、基本的にネガティブな反応をしてもメリットはありません。なるべく負の感情は見せず、次善の策を取りましょう。
まず、新ポジションで自分に期待される役割と業務内容を質問します。また、自分の後任の有無と、自分の前任がいつどこに異動するかも質問します。
もし、既に異動を告げられた面談が終わって後であれば、改めて面談を申し込んで冷静に質問するのが良いでしょう。
自分が組織の中でどの程度期待されているのかを冷静に知るとともに、新ポジションで何が期待されているか知ることに集中します。花形ポジションでなくても、また、損な役回りのポジションでもくさらずに貢献すれば評価は上がり、次のチャンスが生まれます。
意に沿わない異動が起きる理由
そもそも”意に沿わない異動”が起きるには、社員本人にも一定の原因があります。社員本人が、”意に沿う”、”意に沿わない”をあらかじめ決めているからです。
会社員は、会社が全体最適で決めた役割を担うことを期待される立場です。会社の価値観が個人の価値観と100%一致することはありません。限られた選択肢だけを希望している場合、意に沿わない異動は必然的に起こります。
もしかしたら、客観的に見て降格や左遷にあたる異動かもしれません。その場合でも暴れるよりは、現時点の現実として受け入れる方が得策です。
客観的に見て左遷が妥当なら新部署で貢献度を上げる努力が必要となります。本人が良くやっているのに権限者の私怨等で左遷された場合、いずれ評価は是正されると信じて新部署で貢献することが有効です。
意に沿わない異動を減らすためにすべき3つのこと
近い将来異動の可能性があるのであれば、以下のとおり、事前の策をとっておくことで意に沿わない異動を減らすことができます。
- 親族の介護で転居が難しいなど、家庭の事情がある場合、定期面談の機会などに上司に伝えておく。また日頃から在宅勤務の活用等できちんと業務と両立していることを見せておく。
- 異動したい部署がある場合、将来の希望として、定期面談の機会などに上司に伝えておく。
- 希望部署以外にも可能性がありそうな部署をできるだけ全て想定しておく。その部署に対して要望したいことを見つけておく。もしそこに異動した場合それが自分なりのやりがいとなる。どうしても受け入れられない部署がある場合は、そこに異動した場合は転職することを想定して転職の準備を始めておく。
まとめ
意に沿わない異動を告げられた場合に取りうる対応についての記事でした。
- 家庭の事情について伝わっていなければ相談する
- または一旦受け入れて次に備える
の二とおりです。
そもそも、日頃から次の可能性想定しておけば意に沿わないとなる可能性も下がります。気持ち良くキャリアを積むためのヒントとして頂ければ幸いです。
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